平成25年度熊本県町村議会議員研修会(熊本市)

研修概要

・講師 白鷗大学教授・東北福祉大学特任教授  福岡政行 氏
・演題 「2014年の日本の政治と経済を展望する」

研修内容

1.アベノミクス あまり機能していないのではないか?
 (特に3本めの矢:「民間投資を喚起する成長戦略」)
・ここ一週間の日本経済新聞・後輩エコノミストの話
・9000円に満たなかった日本の株価が15500円を超えた瞬間に、米国の株は一斉に売り切った。
 13000円代に下がったところで米国はまた買っている。
・米国の投資関係者達は「日本って美味しい国ですね」と言っている。
・インフレは始まった。
・5%給料があがる会社は熊本に何社あるのか?
 物価が上がっているのに給料が上がらない。
・安倍首相の支持率は急落するような気がする。
 石破茂幹事長を中心に小泉進次郎が関わるかもしれない。

2.首相 対応のまずさ
・2013年9月8日は日本にとって大きい。(東京オリンピック)
・環境会議でにおいて、安倍晋三さんが「水俣の問題は終わったと」と言われ、その直後に天皇皇后両陛下が熊本県水俣を訪問されたことには意味がある。
・「福島は完全にコントロールされている。東京は180km離れているから安全」 この発言は、「水俣の問題は終わって片付いた」というテレビメッセージと似ているかもしれない。
・安倍首相は、「港湾内0.3平方キロメートルとはどこですか?」と聞かれるくらい福島第一原発の状況を把握していない。
・この数日間、安倍首相の国会討論は、官僚が作った作文の朗読になっている。
・消費税8%で熊本の商店街はガタガタになる。
・新国立競技場は、1500億円・88000人収容。東京に全部人が集まる。
・10月からの東京オリンピック工事のため、福島の現場作業員は3分の1になった。復興はますます遅れる。

3.道州制 大反対
・リニアモーターカー「東京-名古屋間」開通は、2020年ではなく2025年。日本は一極集中になる。
・アベノミクスは一部の金持ちだけが儲かった。日本も格差社会になる。
・道州制導入で、均衡ある国土の発展はできなくなる。
 東北で残れるのは仙台だけ。
 人口103万人いるが、来年・再来年に100万人をきる。

4.小泉純一郎 かなり本気!
・「原発ゼロ」日本のトップが決めればできること!の講演をしだした。
・3.11の直後、数ヶ月経って、NHKのBS海外ドキュメント「地下深く永遠に~核廃棄物10万年の危険~」
 フィンランドの放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」に”核の棒”を地中深く捨てている。
 小泉さんはこれを見て、「過ちを改めるにはばかるなかれ」と周辺に語りだした。
・今年8月、小泉さんは自ら「オンカロ」に行った。
 このとき同行したのが東芝・日立(原発を作っている会社)
・「人生の本舞台は常に将来にあり」尾崎行雄(憲政の神)の書。
 小泉さんがこの言葉を引用し感動したと言っている。
・猪瀬 直樹さんの著書「昭和16年夏の敗戦」を小泉さんが読んで、10月に感想を言われた。「面白い発想だよな。昭和16年にやめていればあんな悲劇は生まれなかった。広島も長崎もなかった。やめるべきときにきちんとやめることを政治のリーダーは持たなければならない。」
・細川護煕さんも原発はいらないといっている。
・小泉純一郎さんと細川護煕さんの2人が出てきてなんらかの行動を起こした場合、日本の政治は大きく変わる気がする。なんらかの動きが今年中に出てくる。
・先輩の菅原文太は、新聞の全国紙で一面全面に原発ゼロの意見広告をしてみたいと言われていた。
・安倍首相の支持率が下がっている。安倍ではだめだろうという話が永田町で出てきた。
・残るは石破茂。ただ目つきがちょっと悪い。
 プラモデルづくりが趣味。
・石原伸晃は、すでに過去の人。
・ポスト安倍はおそらく石破(70人)。それに小泉信次郎(40~50人)は石破茂の下敷き。公明党、共産党も原発反対。
・野党、民主党は終わっている。 
 岡田克也は読書が趣味で長風呂が好きという人であり政治家でない。
 細野豪志の指示者は10人いない(5~6人)。江田憲司は愚痴が多い。
・日本維新の10数人、みんなの党の半分、30人ぐらいを持って新党を作れば、政党助成金は来年でる。
 そこに小泉純一郎の動き、信次郎が石破と組むのか・・・
 キーパーソンは、小泉純一郎と細川護煕

5.外交
・安倍首相は、米中との外交がうまくできていない。
 米国との国交は、セクレタリー(課長クラス)が相手。韓国パク・クネは会ってもくれない。中国とも絶望的。
・福田康雄の基本外交は「両国の両首脳改革から始まる」である。
・安倍さんは中国周辺の国は全て廻っている。中国封じ込め作戦をしている。
・外交も経済もあべこべ。「オリンピックよりも福島」であることもあべこべ。まさに「あべこべのミクス」

6.最後に
・福島の状態は簡単でない。

感想

アベノミクスは、金融緩和(第1の矢)の中で米国などに資金が流出していることは否めない。
財政出動(第2の矢)や成長戦略(第3の矢)については今後の動向を注目していきたい。
安倍首相や小泉純一郎元首相、石破茂と小泉進次郎の動向にも興味がある。

道州制は、熊本県副知事が冒頭で申されたように議論を尽くさなければならない。国民の幸福を最優先に考えるべきだ。

いずれにしても、地方自治体は日本の国民と国土、歴史や伝統を守るため一極集中を許してはならない。
まずは平成の大合併をしっかり検証しなければならない。

熊本県町村議会議員研修会
目次