地方消滅の罠~人口減少社会の正体<研修報告>

平成27年度町村議会常任委員長・議会運営委員長研修会

演題:「地方消滅の罠~人口減少社会の正体」
講師:首都大学東京准教授 山下祐介氏
参加:各町村議会議長、常任委員長、議会運営委員長、議会事務局職員 等

以下、研修報告の抜粋と私の所見を示します。

1.増田レポートから地方創生へ
(1) 「選択と集中」ということば
・「選択と集中」は、更なる集中を進め、課題解決から逆行。「分散と回帰」が取るべき道。

(2) 増田レポートの矛盾と政府の立場の関係性
・「故郷を消滅させてはならない」という安倍総理の言葉は重い。

2.過疎問題の生成と展開
・「過疎」は、1960年代から使われ始めた行政用語。

3.誰が地方消滅を導くのか?
(1) 学校統廃合問題は、不安の悪循環の典型
(2) インフラの撤退が地域解消を余儀なくさせる
(3) ILC(国際リニアコライダー)に見る新たな巨大公共事業
(4) この路線は変えられないのか?

4.6次産業化や観光振興は、地方創生の切り札になるのか?
・観光振興は、産業やコンテンツを大事にしなければ成り立たない。

5.田園回帰・地方移住は再生の切り札になるのか?
・中心から周辺へ継続的に回帰していくことが必要。

6.地域をあらためて作る・・・基本的なことを問い直す

所見

私自身のUターン経験上、講師:山下氏の講演内容は共感できる部分も多かった。
「選択と集中」については、公共生活で必要なインフラは維持すべきである。
また、地域の経済基盤である交通網については、しっかり整備しないと地域の経済や暮らしは維持できない。

熊本県は、既に「チーム熊本」として始動しており、国・県・市町村そして住民が対等の立場でこの関係を活用し、住民主体の自治を実現できれば、地方は維持できるはずである。

町村やその中の集落は、人間で言えば細かい血管である。この血管に血が通わなければ、不健康状態になる。日本の良さは、山間部に至るまで集落をつくり、地域を守ってきたことである。
私も議員と住民の一人として、人吉球磨や湯前町の地方創生に貢献していきたい。

町村議会常任委員長・議会運営委員長研修会
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