
「一般質問100%」
そう書くと、「毎回質問していて、すごいですね」と思われるかもしれません。
でも私は、最近、この数字だけを伝えてもあまり意味がないと思うようになりました。
なぜなら、
100%質問したことと、100%成果を出したことは、まったく別だからです。
大切なのは、何回質問したかではなく、
その質問によって、町や暮らしを少しでも良い方向へ動かせたのか。そして、質問した後まで追い続けているのか。
55回の一般質問を経験してきた今、私はそこを一番大切にしたいと考えています。
そもそも「一般質問」は何のためにあるのか
一般質問という言葉は、議会に関心がなければ、なかなか分かりにくいと思います。
簡単に言えば、
議員が町政全般について町長や執行部に考えを問い、課題を明らかにし、改善策を提案できる機会
です。
私は一般質問を、単なる「質問」ではなく、
行政に対するプレゼンテーション
だと考えています。
「ここが問題ではありませんか」と指摘するだけではありません。
なぜ問題なのか。
事実はどうなっているのか。
他に方法はないのか。
町民にどんな効果があるのか。
そこまで調べ、整理したうえで提案する。
そうして初めて、一般質問の価値が生まれると思っています。
私の最初の一般質問は、今思えば「現状確認」だった
私が初めて一般質問をしたのは、2012年12月。
初当選して間もない頃でした。
テーマは、「那須良輔風刺漫画大賞作品のモニュメント」と「少子化対策」。
実は、それまで議会を傍聴した経験もなく、一般質問のやり方さえ分かりませんでした。
当時、頼りにできたのは過去の会議録くらい。
本番では、「議長、1番」と手を挙げ、許可をもらって発言することだけを教えてもらっていました。
とにかく緊張したことを覚えています。
そして今振り返れば、
最初の一般質問は、ほとんど現状確認でした。
自分から改善策を提案するところまではできていませんでした。
でも、一度議場に立てたことが自信になりました。
そこから、毎回の定例会で一般質問に取り組むようになりました。
55回やっても、「質問すること」が目的ではない
2026年9月時点で、
一般質問への登壇は55回。
取り上げたテーマは82になりました。
ただし、私はこの数字を「成果」だとは考えていません。
質問を55回したから、町が55回良くなったわけではないからです。
むしろ、回数を重ねるほど、
「質問をすること自体を目的にしてはいけない」
と思うようになりました。
質問するためにテーマを探すのではなく、町や暮らしの中にある課題を見つけ、「これをどうしたら良くできるだろう」と考えた結果として、一般質問がある。
順番は、こちらだと思っています。
今は、約1か月前から準備する
現在は、一般質問の準備にかなりの時間をかけています。
遅くとも1か月ほど前には、調査を始めます。
町の資料を読む。
過去の答弁を確認する。
法律や条例を調べる。
他の自治体の事例を見る。
数字を比較する。
そして、
「何が事実なのか」
「そこから何が分かるのか」
「私は何を提案するのか」
を整理していきます。
私が良い一般質問を考えるとき、大きく三つに分けています。
事実。
分析。
主張。
まず事実を確認する。
次に、その事実から課題を分析する。
最後に、自分はどう改善したいのかを示す。
この順番を崩さないことを意識しています。
私の質問のやり方も、大きく変わった
1期目から2期目頃まで、私は質問内容を執行部へ詳しく伝えない方がよいと思っていました。
先輩から、「すべて教えたら緊張感がなくなる」という考え方を教わっていたからです。
例えば三段階の質問を考えていても、最初の一つしか伝えない。
そんなやり方をしていました。
ところが、それでは欲しい答弁が得られないことがありました。
執行部も十分に調査できず、
「調査します」
「検討します」
で終わってしまう。
これでは、住民にとってもったいない。
そこで今は、自分で作った論点整理表を使い、何を確認し、何を議論したいのかを事前に共有しています。
目的は、相手を困らせることではありません。
より正確な答弁を得て、議論を一歩先へ進めること。
私自身の一般質問に対する考え方も、経験とともに変わってきました。
一般質問には「町の時間」が使われている
もう一つ、忘れてはいけないと思っていることがあります。
一般質問を一つ行えば、質問する議員だけが時間を使うわけではありません。
町長や担当課も資料を調べ、答弁を準備します。
そして本会議では、執行部、職員、議員がその議論を聞きます。
私自身、一般質問を作るのに多くの時間を使っています。
だからこそ、「答弁する側にも同じように時間が必要なのだ」と考えるようになりました。
単に聞けば分かること。
事前確認で終わること。
論点が整理されていない質問。
こうしたものを本会議で長く取り上げれば、行政側の時間も使わせてしまいます。
これは、他の誰かを批判するためではありません。
自分自身への戒めです。
せっかく町全体の時間を使うなら、
「この質問には意味があった」
と思える議論にしたい。
そのためにも、議員側の事前調査が必要だと思っています。
「質問しました」で終わると、本当の成果は分からない
そして今、私が一番意識しているのが、
「質問のその先」
です。
議場で、「検討します」「調査します」という答弁があった。
では半年後、どうなったのか。
1年後はどうなのか。
予算に反映されたのか。
制度は変わったのか。
町民の暮らしにどんな効果があったのか。
そこまで確認しなければ、
一般質問が本当に役に立ったのかは分かりません。
原稿をつくり、質問し、記事を書いて終わり。
それでは足りないと思うようになりました。
今後は、
「一般質問をした」ではなく、「一般質問の後、どうなったのか」
まで、できるだけ皆さんに伝えていきたいと考えています。
「一般質問100%」より、大切にしたい100%
55回続けてきた一般質問。
振り返れば、最初の頃と今とでは、質問のつくり方も考え方も大きく変わりました。
だから私は、「一般質問100%」という数字そのものを、一番の目標にはしたくありません。
むしろ、
町や住民にとって意味のある質問にする努力を100%続けること。
こちらの方が大切だと思っています。
時代が変われば、町の課題も変わります。
施設は古くなる。
制度も古くなる。
人口も変わる。
技術も変わる。
昨日まで問題ではなかったことが、明日は大きな課題になるかもしれません。
だから、問い続ける必要があります。
そして、問いっぱなしにしない。
調べる。
考える。
提案する。
その後を見る。
一般質問とは、その繰り返しなのだと思います。
私が55回続けてきて、一番学んだことは、
「良い質問とは、鋭い質問ではなく、町を一歩前へ進める質問である」
ということです。
次に議会中継や議会だよりで「一般質問」という言葉を目にしたときは、ぜひ、「この議員は何を質問したのか」だけではなく、
「なぜこの質問をしたのか」
「その後、町はどうなったのか」
にも注目してみてください。
一般質問の見え方が、少し変わるかもしれません。