~一般質問は「個人戦」、質疑は「団体戦」~
町議会では、議員が町長や担当職員に質問する機会があります。
その代表的なものが「一般質問」と「質疑」です。
どちらも町の仕事について質問するものですが、その目的や役割には違いがあります。
私は、議員として、この2つの機会を大切にしたいと考えています。
今回は、一般質問と質疑の違いや、私が質問する際に心がけていることについて紹介します。

1.一般質問とは? ~議員個人の考えや提案を町政に届ける~
一般質問とは、町政全般について、議員が町長などに考え方や今後の方針を尋ねるものです。
例えば、「町の人口減少にどう対応するのか」「公共施設を今後どのように活用していくのか」といった、町のさまざまな課題について質問します。
一般質問では、町の現状や課題を明らかにするだけでなく、議員個人の考えや意見を述べ、改善策や新たな取り組みを提案することもできます。
つまり、客観的な事実や調査結果をもとにしながら、議員自身の考えや主張を町政に反映させるための議論ができるのです。
私は、町の考え方や方針を明らかにし、課題の改善や新たな政策の実現につなげていくことが、一般質問の大切な役割だと考えています。
2.質疑とは? ~客観的な事実や根拠を確認する~
質疑とは、町から議会に提出された予算や条例などの「議案」について、疑問点や不明な点を確認するものです。
例えば、新しい事業の予算が提案された場合、「なぜ、この事業が必要なのか」「事業費は、どのような根拠で算出されたのか」「どのような効果を見込んでいるのか」といった点を確認します。
一般質問との大きな違いは、議案の質疑では、原則として議員個人の意見や要望を述べず、客観的な事実や根拠を確認することです。
議案への賛成・反対の意見を表明するのではなく、議案の内容や提案理由などを明らかにすることが基本となります。
こうして得られた情報は、議員全員が議案の内容を理解し、それぞれが賛成するか反対するかを判断するための大切な材料となります。
3.一般質問は「個人戦」、質疑は「団体戦」
私は、一般質問と質疑の違いを、スポーツに例えると分かりやすいと考えています。
それは、一般質問は議員個人による「個人戦」、議案の質疑は議員全員による「団体戦」という考え方です。
個人戦:一般質問
議員個人の視点から町政の課題を取り上げる
一般質問では、議員がそれぞれの問題意識に基づいて質問のテーマを決め、調査を行い、自分の考えや改善策を示します。
同じ町の課題であっても、議員によって着目する点や提案内容は異なります。
議員一人ひとりが、自分の責任で町政の課題に向き合い、町長などと議論するという意味で、私は一般質問を「個人戦」だと考えています。
団体戦:議案の質疑
議員それぞれの視点から議案の内容を確認する
一方、議案の質疑では、議員それぞれが異なる視点から疑問点を確認することで、一人では気づかなかった問題点や課題が明らかになることがあります。
例えば、ある議員が事業の必要性を確認し、別の議員が予算の妥当性を尋ね、さらに別の議員が将来の維持管理費について質問するといったことです。
このように、議員それぞれの質疑を積み重ねることで、議案の内容を多角的に検証することができます。
その結果、議員全員が議案について理解を深め、それぞれの責任で判断することにつながります。
議員それぞれの質疑が議会全体の審議を充実させるという意味で、私は質疑を「団体戦」だと考えています。
もちろん、団体戦といっても、議員全員が同じ意見になる必要はありません。
大切なのは、それぞれの議員が異なる視点から疑問点を確認し、議会全体として議案を十分に審議することです。
一般質問と質疑には、それぞれ異なる役割があります。
その違いを理解し、目的に応じた質問を行うことが、議会の役割を十分に果たすことにつながると考えています。
4.事前調査では、事実や法的な根拠を確認する
一般質問や質疑では、事前の調査がとても重要です。
私は、質問する内容に応じて、担当課から説明を受けたり、関係資料や過去の実績を確認したりしています。
また、他の自治体が同じような課題にどのように取り組んでいるのかを、インターネットなどを利用して調べることもあります。
さらに、事業の目的や実績、予算などを調べるだけでなく、必要に応じて、その事業や制度の法的な根拠を確認することも大切です。
例えば、町が行っている事業や制度について、法律や条例、規則などでどのように定められているのか、町にはどのような権限や責任があるのかを調べます。
また、町独自の判断で変更できるものなのか、法律などによって定められているものなのかを確認することも重要です。
こうした事前調査によって、町の現状や課題をさまざまな角度から考えることができます。
そして、集めた情報を整理し、「何を明らかにしたいのか」「どのような点を確認する必要があるのか」を考え、質問を組み立てていきます。
一般質問では、調査で明らかになった課題をもとに、自分なりの改善策や新たな取り組みを提案することもあります。
一方、議案の質疑では、議案の内容や必要性、費用、効果などを客観的に確認することを心がけています。
どちらの場合も、十分な準備を行い、事実や根拠を把握したうえで、質問の目的を明確にしておくことが大切だと考えています。
5.事実を分かったうえで質問することが、議員の技術
私は、一般質問や質疑において、単に知らないことを尋ねるのではなく、事前に事実を把握したうえで質問することが、議員に求められる技術の一つだと考えています。
例えば、ある事業の実績が減少していることを事前に調べて把握していれば、議会では、単に実績を尋ねるのではなく、「実績が減少した原因をどのように分析しているのか」「今後、どのような改善策を考えているのか」といった質問ができます。
また、法的な根拠や過去の経緯を理解していれば、町の説明をより深く確認し、課題の本質に迫ることもできます。
つまり、何を質問するかだけでなく、何を事前に調べ、何を議会の場で明らかにするかを見極めることが、議員の技術だと考えています。
もちろん、事前調査だけでは分からないこともあります。そのような点については、議会の場で事実や根拠を確認することも必要です。
また、事前に把握している事実であっても、町の公式な見解を明らかにしたり、町民の皆さんに現状を知っていただいたりするために、あえて議会の場で質問することもあります。
私は、一般質問でも質疑でも、十分な調査に基づいて質問を組み立て、町の現状や課題を明らかにすることで、議会での議論をより充実したものにしていきたいと思います。
6.これからも、内容のある質問を目指して
一般質問や質疑は、単に質問の数を増やせばよいというものではありません。
私は、一つひとつの質問を通じて、町の現状や課題を明らかにし、町民の皆さんにとって分かりやすい議論につなげることが大切だと考えています。
そのためにも、日頃から町の取り組みに関心を持ち、町民の皆さんの声に耳を傾け、必要な情報を集める努力を続けていきたいと思います。
そして、議会では、十分な調査と根拠に基づいた一般質問や質疑を行い、よりよい町づくりにつながる議論を目指していきます。
事前に調べられることは十分に調べ、事実と根拠を踏まえたうえで、議会では何を明らかにすべきかを見極める。
私は、これこそが議員に求められる質問の技術であり、質の高い一般質問と質疑につながるものだと考えています。